
タイの原産地証明書のセルフプリント・システムが実現へ
タイの商務省外国貿易局(DFT)は、2023年8月10日に、原産地証明書(C/O)の発給手続きをより便利にするため、自己印刷(セルフプリント)サービスを強化することを発表しました。これにより、企業はFTAなどの貿易協定に関連するC/Oを自分で印刷することができるようになります。
従来、企業はDFTの窓口までC/Oを受け取りに行く必要がありましたが、新しいシステムにより、あらゆる種類のC/Oを自己印刷できるようになります。DFTは年間100万件以上のC/Oを発行しており、スマートC/Oの導入により、ペーパーレス化が進み、事業者の利便性が向上すると期待されています。
ASEANシングルウィンドウのデータ構造が刷新
今回のシステムのアップグレードは、ASEAN物品貿易協定(ATIGA)の電子C/O(eフォームD)のシステム改修に連動して行われました。DFTによると、2020年からASEAN全体でeフォームDの交換が行われていましたが、仕向け地の税関でのデータ確認に遅れが生じるなどの問題がありました。
2021年のASEAN内の会議で、新しいデータ構造(ATIGA e-Form D inside Common Header MIG v.3.1.3)の採用が合意され、フォーマットの標準化により、仕向け地の税関での確認作業が効率化され、通関手続きの短縮が期待されています。現在、新しいデータ構造の下でシステム試験が行われており、C/Oセルフプリントの運用が先行開始される予定です。
DFTは、新しいデータシステムの下で、ASEAN加盟国からの輸入に伴って発行されたe-Form D情報を「スマートC/O」システムに連結することで、企業が連続する原産地証明書や累積ルールを利用する際に、当初輸出国で発行されたForm DをDFTに提出する必要がなくなります。
また、ASEAN事務局は、ASEAN域内の事業者を対象に、電子フォームDの利用に関する調査を実施しており、ASWの効率性を改善するために活用される予定です。
まとめ
タイの商務省外国貿易局(DFT)は、原産地証明書(C/O)のセルフプリント・システムを強化することを発表しました。これにより、企業はFTAなどの貿易協定に関連するC/Oを自己印刷できるようになります。また、ASEANシングルウィンドウのデータ構造も刷新され、通関手続きの効率化が期待されています。
よくある質問
Q1. セルフプリント・システムの導入によってどのようなメリットがありますか?
A1. セルフプリント・システムの導入により、企業はDFTの窓口までC/Oを受け取りに行く必要がなくなります。また、ペーパーレス化が進み、事業者の利便性が向上すると期待されています。
Q2. 新しいデータ構造の導入によってどのような効果が期待されますか?
A2. 新しいデータ構造の導入により、仕向け地の税関でのデータ確認作業が効率化され、通関手続きの短縮が期待されています。
Q3. セルフプリント・システムの運用はいつから開始されますか?
A3. システム試験の後、C/Oセルフプリントの運用が先行開始される予定です。
Q4. ASEAN事務局の調査はどのように活用されますか?
A4. ASEAN事務局の調査は、ASEANシングルウィンドウ(ASW)の効率性を改善するために活用される予定です。
Q5. セルフプリント・システムの利用には特別な手続きが必要ですか?
A5. 特別な手続きは必要ありません。企業は自己印刷(セルフプリント)するだけで利用することができます。
以上が、タイの原産地証明書のセルフプリント・システムに関する情報です。詳細な検索やお問い合わせには、ジェトロ・メンバーズのサービスデスクにお問い合わせください。
[参照元](https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/08/aea3a0b2f03f3987.html)参照記事:>https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/08/aea3a0b2f03f3987.html